ねきろむが稀に更新するブログ

読み書きが苦手ながらに手に取ったものをざっくり短めに5分ぐらいの文量でレビューします(2019年以前の記事を整理中)。当ブログはamazonアソシエイトを使用しています。

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【映画レビュー】美しすぎる悲劇 【Fate/stay night[Heaven’sFeel]Ⅱ.lost butterfly】

 

どうも、ねきろむです。

 

今話題のヘブンスフィール(タイトルは長いので大幅省略)を見てきました!

 

アニメ映画は基本他県までいかないと見にいけないので片道1時間半かけて観に行ったその帰りなので正直まだ脳はフリーズしてます。それぐらい衝撃の作品でした。

 

この作品を語るなら、型月とは言わずともFateシリーズにはそれなりに知識がある人だろうと思われるかもしれません。

 

が、なんと自分のFateシリーズに対する知識はFGOの1部と

ぼんやり覚えてるstay night、Unlimited BreadWorks(以下UBW)の内容ぐらいです。

 

要するにほぼないに等しい状態。

なんでそんな状態から見るに至ったのかというと、

 

周りがあまりに良いって言うけどあんまり興味ないから桜ルートのネタバレを見た。

 

というのが動機。

 

今なら先にネタバレを見てしまったことをすごく勿体無いと思っている反面

 

ネタバレを見ないとFateシリーズにこれほどまでに興味をなかったかもしれない。と思うとなんとも皮肉であるがこれで良かったのかなと。

 

そんなわけで

Fateド素人の自分が見たヘブンズフィール 2章の感想をどうぞ

 

 

 

 

 

最初に

自分自身fateに関する知識のほとんどはwikiからなのでここに書いてることが設定と違う!

 

とかあったらコメントで指摘してもらえると嬉しいです。

作品概要

f:id:nekirom842:20190121004744j:image

魔術師<マスター>と英霊<サーヴァント> が願望機「聖杯」をめぐり戦う――「聖杯戦争」。10年ぶりに冬木市で始まった戦争は、「聖杯戦争」の御三家と言われた間桐家の当主・間桐臓硯の参戦により、歪み、捻じれ、拗れる。臓硯はサーヴァントとして真アサシンを召喚。正体不明の影が町を蠢き、次々とマスターとサーヴァントが倒れていった。マスターとして戦いに加わっていた衛宮士郎もまた傷つき、サーヴァントのセイバーを失ってしまう。だが、士郎は間桐 桜を守るため、戦いから降りようとしなかった。そんな士郎の身を案じる桜だが、彼女もまた、魔術師の宿命に捕らわれていく……。「約束する。俺は――」裏切らないと決めた、彼女だけは。少年と少女の切なる願いは、黒い影に塗りつぶされる。 出展:filmarks

 

 

 

 

 

Heaven’s Fellって何が違うの?

感想も何もまずここからですよね。

 

原作、Fate/stay night はPCゲーム。

いわゆるギャルゲー、エロゲーという日常の中で女の子と会話をしてその女の子との恋愛を成就させる類のゲーム。

 

この手のゲームには必ず複数のヒロインがいて最後にどの子と恋愛関係になるかでエンディングが違うものです。つまり2人ならハッピーエンドが2パターンとゲームによってはバッドエンドのような他のエンディングが複数存在するみたいです。

 

Fateも例に漏れず3人のヒロインの中から1人を選んで親交を深めていくのですが、Fateの場合だと自身のサーバントであるセイバー、同じマスターの遠坂 凛。

そして主人公の友人の妹であり、家族のような関係の桜。

 

この3人の誰かと恋愛関係になるのがこの物語のエンディングなのですが、もはや説明するまでもないように聖杯戦争と呼ばれる魔術師とそれが召喚したサーヴァントが聖杯の獲得を目的に殺し合う話なので他のギャルゲーとは一線を解す。正直ギャルゲーというかノベルゲーム。

というより完全に読み物です。

 

で、最初にアニメ化されたのはFate、セイバールート。

その次に比較的最近アニメ化されたUBW、凛ルートです。

 

今回映画化されているのはHeven’sFell(以下HF)、桜ルートになるわけです。

 

桜ルートの大きな違いは、先の2つのルートは大筋が似通っているのに対して

 

桜ルートは原作でも他の2ルートをクリアしないと進めないルート。

 

この物語に隠された大きな謎を語る物語、でありセイバー、凛ルートで散りばめられた伏線を根こそぎ回収するストーリーになってます。

 

そのためか他の2ルートとは物語が序盤から大きく異なる内容で、昨年公開された1章なんかは序盤の似通った展開(アニメにして4話分ぐらい)は最初の30秒ぐらいで片付けられてしまいます。(HFを見るというかはすでにfateを知ってる前提)

 

なのでこの作品からFateを身始めようと思う人は一旦身を引いて初代かUBWを見てから今作を見るのがオススメです。

 

先にこの2作品を見れば、サブキャラ同然の桜が主役のように書かれてることを疑問に思うかもしれませんがその答えがHFになるのです。

 

ここからは若干のネタバレを含む内容になるのでご注意を。

 

 

 

 

感想

最近3Dアニメに対して好感的になってリメンバーミーとかミスターインクレディブルとか。

そしてついこの間ナラティブを見てアニメ映画は力の入れ方が違うなぁと感動した矢先に今作。

 

それらのハードルを完全に飛び越えて、世界記録を毎秒塗り替える勢いの作品でした。

 

アニメ界大丈夫かよ。

これ以上が作れるのか…?

 

 

 

 

 

3度にわたる激戦

UBWのクライマックスも凄まじいものでしたがそれすらもはるか過去の存在にするufotable(以下ユーフォ)の本気。特に話題になってるバーサーカーとセイバーオルタの戦闘。

 

本来相当量の魔力を必要とする宝具をこれでもかと連発するセイバーオルタ。

その一撃一撃を馬鹿力でいなして反撃するバーサーカー

 

入場特典のクリアファイルにもあるこの2人の戦いはパワーゲームと称されるぐらい本当にパワーとパワーのぶつかり合いで、その作画の凄まじいこと。

 

何より驚くのは、これまで本当に暴れるだけで自身の再生能力を活かしきれず退場してしまうのですが、今回はそのパワーと再生能力をフル活用して戦います。

 

ちなみに説明する必要はないと思いますが

バーサーカーとして召喚されたのはヘラクレスという神話の英雄で

攻撃用に優れた宝具や能力を持つがバーサーカーであったがために使えない代わりに

11回の蘇生能力を持っています。

 

つまりバーサーカーを倒すには最初の1回を含めて12回倒す必要があるということ。

 

今回のバーサーカーは暴れるだけにあらず、Zeroに出てきたバーサーカーにもあったよな芸達者な技が多く見られます。やっぱバーサーカーとはいえ十二の功業を乗り越えた戦闘の達人。

 

バーサーカー、というより

英霊ヘラクレスとしての戦いが見られました。

 

 

 

 

 

おのれワカメ!ワカメ…畜生ワカメ!

士郎の友人であり、桜の妹であり、敵でもある間桐慎二

どの作品を見ても憎むべき存在のように描かれており、最後に必ず悲惨な目に遭う彼への仕打ちを喜んだりするぐらいのクソ野郎なのですが、今作ではその部分に関しても深く触れられています。

 

今回は間桐桜の物語です。

 

HFから登場する間桐臓硯。

彼は500年生き続ける魔術師で聖杯戦争においてサーヴァントと令呪のシステムを作り出した人物。聖杯戦争のシステムを作り出した御三家の一角なのです。

 

そして現在も間桐家の実権を握っている今作の暗躍者。

 

魔術ではあるが家系としてその力は孫の慎二で途絶えており家に魔術師はいない状態。

しかし慎二自身は血は途絶えても自分は魔術師だと信じて修行を続けるも成果は実らず。

そこに妹の桜が自分より力のある魔術師、さらには桜自身が遠坂から養子に受けた子供でだったことから慎二は桜を恨むようになります。

 

桜への虐待はそこからくるものでした。

自分の力ではサーヴァントを召喚することもできない、桜はそれをできるも頑なに使おうとしない。

それどころか慎二を哀れんでいるようにも簡易取れる態度(実際そんなつもりはない)。

 

桜の力を借りて参加した聖杯戦争では惨敗。

桜は士郎の家に匿われてしまい、魔術師としての力がないことを指摘されて見捨てられる。

 

正当な血筋の慎二には一切気もくれず、養子の桜ばかり目をかけられてそれを桜はそれを望まない。

 

きっと慎二も家に居場所がなく、どうしようもできないとわかっていながら追っていた夢が完全に絶たれてしまった上での行動だったのでしょう。

 

それを踏まえても許される行為ではないのですが(具体的には虐待の度を超えている)。

 

ただ慎二をタダのクソ野郎だと言えなくなってしまいましたね。

 

 

 

 

 

変化する士郎と桜

前回の一件から自分の家にすませることになった桜。

 

何年も生活を共にしてきた桜は本来怪我をした士郎のために慎二から送られてきたお手伝いさんだったのですが、度重なる仕打ちから死んでしまった心と体がその生活の中で緩和されていく桜。

 

幼い頃に奪われた家族という存在を与えてくれった1つ上の同級生。

 

そんな同級生が1つ屋根の下にいたら何も起こらないわけがないでしょう。

 

と、そんな下心丸出しな展開でないのがFate

 

桜は幼い頃から受けた仕打ちの影響で生命の源とも言える魔力が不足している状態に。

魔力を補給するためには魔力を持った人間の体液を取り込む必要があるようです。

 

この設定はFateに限った話ではなく魔女や魔術が絡む話では割とよくある設定。

 

士郎の父、衛宮切嗣が目指した正義の味方(大衆のために少数を殺す正義の味方)に憧れ、目指し日々を送る中で、その夢を捨てて桜をだけを守るために戦うと決意する。

 

このシーンも恐ろしい作画です。

桜へのカギの渡し方も美しい!

 

この決意はセイバーも凛も変えられなかった、全てを救う正義の味方になるという士郎の唯一の決意を曲げた瞬間でした。

 

その後、桜に足りない魔力を士郎の血を飲ませることで補うことに。

 

しかし士郎を求める桜は魔力不足も相まって士郎に強く性を求めるようになります。

 

この辺の展開がツイッターでよく言われる

 

桜エロい!

 

に直結するわけです。

エロいことにはわかりないですが何というか、性的な何かというよりはようやく救いを得た桜とその救いになった士郎はお互いに思いを打ち明け会い、桜のために精を注ぐ。

 

描かれてはないものの毎晩あの調子でやってたら他の心配があるんじゃないかと思ったものの

 

命の源=魔力なら

 

体液に含まれる無数の命(精子)は全て魔力として吸収されて本来の役割を果たしていないのだろうか。

 

凛には子供ができる描写があるので他の魔術師にも言える話だけど多分桜は精子を魔力として全部吸収しているのでは。

 

そう思えば桜にとって士郎との性行為は本来の役割は全うできないものの大切な人からもらった命という嬉しくも悲しい場面に思えてきますね。

 

 

 

結ばれた2人。

 

幸せが始まったかの思えたが早くもそれは崩れ去る。

 

 

 

 

 

中盤までの盛り上がりさえ過去にする急転

 

HFは戦闘よりも伏線に関する話が大半を占めています。

 

聖杯は召喚された7体のうち6体のサーヴァントの魂を取り込むことであらゆる願いを叶える宝具になるのですが、実際にその効果を発揮したことは一度もなくその度に次を懸念して改良を施してきたわけです。

 

その聖杯の真相とそれを握る間桐の物語。

当然桜もそれに関係しないわけもなく…

 

そしてついに明らかになる虚数空間と呼ばれる物体。

 

これらの真相が紐解かれるうちに、あれほど幸せそうに見えた日常は徐々に崩れて行き、HFのクライマックスに向かっていきます。

 

自分自身オチまでのネタバレを知ってるとはいえつづきの映像化が楽しみです。

 

次回作は来年の春、見れるかなぁ…

 

ちなみにオチを知ってても今作のラストを見ると胸が締め付けられるというか明るい気持ちにはなれないというか。というわけで自分は全年齢版のレアルタ・ヌアを買ってプレイ中です。

 

性描写を除いてはそのままなのでFateの原点を遊ぶにはうってつけですね。

 

ちなみにFateの性描写はただの気持ちの高ぶりではなく、生きるために、勝つために意味を持って行われる行為なので描写はカットされてるが物語を完全に理解する上では必要な描写になってくるようです。

 

が、正直オリジナルはプレミアが付いてて買えません。

 

 

 

 

 

細かい感想

ほかの2ルートと違うアーチャーの最後

stay nightのアーチャーの正体は、正義に味方を志してその答えに絶望した未来の英雄エミヤ。

 

セイバールートと凛ルートではだいたい同じ結末。

 

過去の自分を殺して未来の自分の消えるという目的のもと士郎とぶつかり、士郎に敗れる。

 

そしてエミヤのようにはならないといった士郎を信じて散る。

 

それが今回はその目的を一旦置いといて聖杯戦争の謎に挑んだことでその結末も異なります。

 

桜のために戦うことを選んだ士郎、果たしてその先にもエミヤのような未来が待っているのか。

 

おそらく違うでしょう。

 

そうじゃなければエミヤは士郎のために死ななかったでしょうから。

 

ほかの2作とは違い誰にも自分の正体を明かさず消えるアーチャー。

 

もしかしたらあそこで桜を見捨てて大衆を救ったことが後悔になり本当に守るものを見失った士郎は切嗣と違う形で絶望して、エミヤになるのかもしれない。

 

しかし桜を救うために行動し、あの時イリヤの手を取って逃げた士郎の行動が、今回のルートでエミヤにならない唯一の選択だったのかもしれいない。

 

イリヤの手を取るのなら、振り替えず走れ』

『達者でな、遠坂』

 

今作で桜関連以外で涙腺が刺激されたポイントです。

 

エミヤってルートごとにそこに至った理由が小さく異なるんですかね。

 

 

 

桜ルートの性描写をカットしなかったこと

桜は虐待の影響で慢性的な魔力不足が発生しておりそれを補うために必要なものが体液の交換、性行為になるわけです。

 

桜ルートにおける性描写はみんなを守る士郎が

桜の全てを受け止めて、ひとりの女として愛し、桜を守ると決意した後の場面。

 

その行為は性と生の意味を持つ大切なシーンなんだと思います。

 

全年齢版ではその辺が纏めてカットされてるので原作ファンとしては桜の設定に深みが減った全年齢版ではなく、桜と士郎の関係を可能な限り描写したオリジナルの表現に寄せたことが大きな評判を呼んでるようです。

 

桜にとって性行為は自分の命をつなぐ行為であり、その行為を大切な人とともに出来るという桜と士郎の関係を語る上で外せないシーンですすから。

 

しかし桜エロい。

絶対地上波で放送できないしカットするぐらいなら放送しないほうがいい。

 

 

 

桜が使った黒い魔術の正体

序盤で桜が使った(正しくは暴走して発動した)黒い塊が次々現れる魔術。

あれに付いて一切触れられていなかったのですが説明はないのでしょうか。

 

ちなみに桜が使っていたあれは、架空元素・虚数という属性の魔術だそうです。

 

魔術に火、水、風、地、空の五大元素の属性の他に、虚、無という属性が存在するようです。

最初の5属性は魔術師が生まれながら属性でほとんどの魔術師がこのどれかに当てはまる模様。

しかしそれら違う属性で、ものすごくレアな属性が虚と無。

 

五大元素の魔術が生み出すものが自然界に存在するものであるのに対し

 

虚は魔術的にありえなくはないが存在しない物質。

無は魔術的にありえないが存在する物質。

 

桜が使う架空元素・虚数は前者に当たります。

架空の元素、虚数を扱う魔術。

 

桜が使った黒い塊は、桜の負、影の部分が具現化したものになるわけです。

 

 

 

 

 

総評

とりあえずレアルタ・ヌアをクリアして桜ルートを見届けてその映像化を楽しみにしたいと思います。

そもそもFateもといタイプムーンが作り出す魔術の世界は他のタイトルにも関連性があり、その原理や成り立ちがものすごく練り込まれてる作品なので是非他の作品も触れたいところです。

 

stay nightのオリジナルをなんとか遊べないもんかぁ・・・

 

 

 

ちなみにパンフは買えませんでした。

今回も例に漏れず転売屋に流れて行ってる模様。

もうタイプムーン関連、限定グッズは転売屋に味方してるんじゃないかというぐらいの受容に見合わない少数しか作らないので正規のファンは追いつくのが大変ですね。

 

ハマった作品なのにパンフレットが手に入らない。

それを買ってるのは作品に関心がなく、他人の商売道具で商売をする外道。

 

再販、お待ちしております。

ディスクは多分買うと思うので何卒・・・

 

 

余談

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クリアファイルは『レイン』でした。

映画見る前は感動的なシーンだけに見えましたが見終わった時、このシーンのファイルを見ると心が締め付けられますね。

 

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クリアファイルの底辺部分には切り取り線があるのでこの部分を取れば見開きの1枚絵にできます。

 

しかしこれを切ると桜の指が切れてしまうのでクリアファイルとして残します。

 

次観に行くなら7週目かなぁ

 

 

 

19.08.28追記

気が付けばブルーレイ出てましたね。 

 3章のティザートレイラーも公開されましたし来年が楽しみです。

協会に一人たたずむ桜のもとに史郎が現れて二人でそこから出ていこうとする先には雷鳴が轟く桜並木。既にいろんなメッセージを持つビジュアルでしたね。


劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]」Ⅲ.spring song 特報 第 1 彈